2013年9月30日月曜日

■脂肪乳剤は、基本末梢投与です。

『脂肪乳剤って末梢から投与してもいいんですか?』
『脂肪乳剤ってCVの側管から投与してるんですけど、いいんですか?』
などたまに質問受けます。

■脂肪投与量
①必須脂肪酸欠乏の予防
成人では、10%脂肪乳剤100~200ml/日または500ml/週
②エネルギー源として
全投与量の20~30%程度
成人では20%脂肪乳剤250ml/日程度

■脂肪乳剤投与上の注意点
①脂肪投与量が多すぎると、高脂血症や肝障害などを発生する。
②日中に投与して翌朝の採血で高脂血症になっていない範囲で投与する。
③脂肪のみを投与したり、同時に投与する糖質が少ないと、よく代謝されない。
④脂肪乳剤は、Caイオン・Mgイオン・Znイオンなど二価以上の陽イオンを含む輸液と混合するとただちに巨大化する。そのため、多剤との混合投与には十分な注意が必要である。
⑤脂肪乳剤の投与速度:脂肪が円滑に代謝されるためには、一般的な投与速度は0.1~0.15g/kg/時とされている。投与により静脈炎や血管痛・発熱・悪心・嘔吐・悪寒・顔面紅潮・頻脈・頻呼吸などの急性症状を起こすことがある。また、急速投与すると網内系の抑制によって免疫能が低下し感染症の増悪する危険性がある。そのため、代謝速度を勘案し、至適投与速度0.1g/kg/時以下を守るべきである。
⑥脂肪乳剤にはダイズ油由来のビタミンK1を微量含んでおり、ワーファリンの作用を減弱させるおそれがあるので注意する。
⑦n-3系の必須脂肪酸含有量が極端に少ない(α-リノレン酸は微量、EPAやDHAは全く含まれていない)ため、エネルギー基質として大量に投与(投与総カロリーの20~30%)しないときにはn-3系の欠乏症がおこりうる。
⑧血漿増量剤の荷電によって脂肪粒子表面の荷電に変化が生じるため、デキストランが体内から消失する時間(約96時間)以内では脂肪乳剤の投与を避ける。
⑨可塑剤のDEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)を含む輸液セットで、脂肪乳剤を投与すると、DEHPが溶出し投与されてしまう。そのためDEHPを含まない輸液セットなどをしようすることが望ましい。

■脂肪乳剤は基本末梢投与です。
理由なんですが、
・粒子が巨大化しやすい→粒子の系が大きくなる→毛細血管が、詰まりやすくなる。
・脂肪乳剤は白い→配合変化などの確認ができない。
・脂肪のため細菌繁殖が起こりやすい
・TPNなどのCVからの投与は、フィルター詰まりの原因となる。
などが考えられます。


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2013年9月29日日曜日

■栄養剤に水を混ぜて注入するといけないのは、なぜですか?

▼原則的に、栄養剤は薄めないと考えてください。
栄養剤のみを先に注入してから、白湯やお茶はあとから注入するのが正しいという考えに最近はなっているみたいです。特に、お茶で栄養剤を薄めるっていうのは、栄養剤のたんぱく質と固まってしまってカテーテルを詰まらせる原因となったりするのでやめた方がいいです。
確かに以前は、栄養剤の浸透圧を下げるため水などで薄めて注入した方が下痢などが起こりにくいんじゃないかって言われてました。けどその考え方は見直されてきました。
日本で発売されている経腸栄養剤は、1kcal/mlの低濃度の製品が多く、もうこれ以上薄める必要がないほど薄いのです。
まっ最近では1.5~2kcal/mlのものも発売されてます。これらの製品は、1kcal/mlの製品では濃度が薄いので、量が多くいってお腹は膨れるがその割には栄養が入らないとかお腹(胃)が膨れ上がって胃食道逆流の危険性が増えるといったことなどに対して改良されたものです。
でも、白湯で薄めないといけない場合もあります。
それは、栄養剤に対して濃度依存性に下痢を起こす患者様に使う場合だったり、長期間消化管を使っていない患者様に栄養剤の慣らし運転をする場合です。慣らし運転は、濃度を低く量を少なくして栄養剤の投与を開始し、様子をみながら少しずつ増やしていくやり方です。あとは、栄養剤の固形化も結果としては薄めていることになりますが、特別な目的があるとき以外は薄めない方がいいのです。

▼さっここで、よくある質問です!!
『栄養剤のみを注入しても後から白湯を入れるのだから、胃の中で混ざって結局混ぜて注入するのと同じことじゃないの?』
この答えも調べました。これについて研究した人は偉いですよ~ヾ( ´ー`)
この考えは、間違いなのです。核医学的胃排出時間〔胃から栄養剤が十二指腸に出ていく時間を、胃内容が半分になるまでの時間で表したもの〕は、およそ55~70分〔高齢者では、57~106分〕だったみたいです。つまり、栄養剤が滴下されている間も、胃内容物はどんどん腸に流れているということになります。なので、胃内容が減った状態で後から白湯が入ってくるのと、最初から薄まった栄養剤が胃に入ってくるのとでは、違う現象であることがおわかりいただけるかと思います。それは、栄養剤を嘔吐して誤嚥するリスクと、白湯を嘔吐して誤嚥するリスクの差です。

▼下痢防止のために水で希釈しない。
栄養剤を水で希釈するのは、何度も言いますが、浸透圧を低下させるためです。じゃあその希釈することの問題点を考えてみましょう。まず希釈するという操作自体が細菌汚染の原因となります。なので、下痢予防のために栄養剤を水で希釈するのは逆効果です。また、栄養剤を薄めることは、栄養剤の粘度を低下させ、胃・食道逆流を誘発し、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。そして水分の過剰摂取にも繋がり、下痢の原因になったりもします。
ヒトは約7,5Lの水分が唾液や消化液として分泌されています。特に小腸内には、1日に約7Lの小腸液が分泌されているため小腸内で希釈されるそうです。ですから、経腸栄養剤の投与速度を落とすと、経腸栄養剤が消化液で自動的に薄められるので、水で希釈するのと同じ効果が得られます。投与速度を半分に落として投与すれば、水で倍量に希釈するのと同じ効果が得られ、投与時間は同じです。
日本は、まだまだかもしれませんが、海外では、経腸栄養剤は水で希釈しないことが常識となっているそうです。
ただし、小児の場合は、腎機能の関係から高浸透圧性アシドーシスを予防するために0.5~0.8kcal/mlの濃度で投与することが推奨されています。

▼高濃度栄養剤〔1.5kcal/ml以上〕は下痢がおおいのでしょうか?
高濃度〔1.5kcal/ml以上〕の栄養剤は、浸透圧が高いため下痢が多いというイメージがあります。しかし、浸透圧が760mOsm/Lある成分栄養剤〔エレンタール〕とかの栄養剤ならともかく、高濃度という場合でも半消化態の栄養剤の場合は、それほど高くありません。約540mOsm/Lの浸透圧製品で、下痢の発生頻度が9.1%と報告されていますが、1kcal/mlの製品と比べてもそんなに高くありません。700mOsm/L以下なら特に問題はないと言われています。



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2013年9月28日土曜日

■食欲を増進させる方法

▼食欲低下の原因を調べる
食欲低下の原因は、栄養状態・食事・疾患・症状・精神状態・薬剤の副作用などがあります。
栄養不良状態では、食欲低下の原因にも結果にもなります。
食事の原因には、味が薄い・食事摂取不良による味覚異常・亜鉛やビタミンB郡不足などがあります。
疾患では、食べ物を消化する能力の低下・発熱・炎症(CRPが5以上とかでは、著名に食欲が低下するって言う話も聞いたことがあります。)・尿毒症の症状・精神的影響・薬剤の副作用などがあります。

▼対策
①栄養状態を改善する。
 栄養状態が悪いと消化能力や体力の低下が起こり、食事摂取量が進まず、さらにどんどん低栄養状態に進んでいきます。したがって、栄養状態の改善を行う必要があります。
・必要栄養量を満たすために、TPN〔中心静脈栄養法〕やPPN〔末梢静脈栄養法〕やEN〔経腸栄養法〕を併用します。
・経口で摂取を増やせるようなら、濃厚流動食や経腸栄養剤などを追加します。
・食事は、消化吸収に負担がないような形態にして、食べやすい味付けにします。

②味が薄いときは濃くする。
 塩分は、食欲増進作用があるため増やします。塩分増加の方法としては、主食では嗜好品をつけたり、おじやや麺類やおにぎりにしたり、副食では味付けを濃くしたり、食べやすいおかずや汁物の回数を増やします。
摂取量が少ない状態の人への塩分制限は、摂取している塩分が少ないのですから十分な量を摂取できるようになるまで塩分制限を解除したりすることも考慮します。

③味覚異常時には、亜鉛補給をします。
 食事摂取が不良していることによる味覚異常の原因は、亜鉛を多く含む蛋白質源が長期に不足していることが考えられます。亜鉛不足の状態では、食事ののみの亜鉛の補給量では、味覚異常の回復には十分な量ではないため、薬物での補給が必要になります【プロマック:胃潰瘍に使われる薬なんですが、亜鉛を多く含んでおり、味覚異常や褥瘡などの創傷治癒促進のための亜鉛補給として使われたりします】。改善した後も、積極的に亜鉛を食事で補給します。亜鉛を多く含む触診として、カキ(貝)・ウナギ・豚肩ロース・コンビーフ・ホタテ・カニ缶などがあります。

④ビタミンB郡の摂取を増やす。
 ビタミンB1の不足では、乳酸などの疲労物質が溜まり、食欲が低下します。このような状態で効果的な方法は、ビタミンB1だけでなく、エネルギーの供給や老廃物の代謝に働くビタミンB2やナイアシンなどの、ビタミンB郡全体を摂取することです。増やす食品は、蛋白質源が中心ですが、総合的に摂取するには、経腸栄養剤【グランケアなどがいいって言われています】やサプリメントなどが有効です。また、甘いものを中心に栄養補給を行う時には、ビタミンB1を同時に補給します。
 食品には、レバー・牛乳・卵・豚肉・鶏肉・大豆・などがあります。

⑤発熱や尿毒症の場合
 発熱や炎症では、炎症物質がある限り食欲はなく、経口摂取を思うように増やせないため、静脈栄養などの併用を検討していきます。
 尿毒症の原因は、腎機能低下に対するたんぱく質の過剰摂取です。まず一番の対策は、たんぱく質の原料です。尿毒症は、食欲低下を伴うことが多いため、重度の浮腫がなければ、塩分制限をなくして7gを超えないよう摂取量を観察していきます。十分に食べられるようになったら、塩分は制限します。

⑥精神状態
 癌の告知などやいろいろなトラブルが精神面に及ぼす影響は、食欲を大きく低下させます。1週間にわたる摂取量の低下があれば、PPNやTPNやENなどで栄養量の補給を検討します。また、病院食と家での食事の違いが大きく、食欲が出ないということもあります。こういう場合は、可能な限り家での食事パターンに近づけるように配慮します。食事内容でできることは、摂取しやすいものを提供することです。

⑦薬剤の副作用
 食欲に関係する薬物の副作用は、食欲低下や口内炎や味覚異常などがあります。食欲低下が起こりやすい抗がん剤の投与期間に経口摂取を施すことは、患者様にとって負担になります。このような場合の栄養補給も、PPNやTPNやENの併用を検討します。抗精神病薬や眠気の副作用を施す薬剤などが投与されている場合は、薬剤の投与を中止することで食欲が回復する場合がありますので、薬剤を本当に飲む必要があるのかについても再度見直していくことが必要となります。

▼全般的に、食欲がない場合は、いずれの原因でも、まず塩分を増やしてビタミンB郡や亜鉛の補給を考慮します。しかし、食欲不振が1週間持続したら、摂取量の増加がない時は、静脈栄養の併用を検討します。静脈栄養の併用は、安易な補給方法と考えられるかもしれませんが、重要なのはまず栄養状態の低下を防ぐことです。栄養状態の低下が続けば、またそれが食欲不振の原因へとなるからです。

2013年9月27日金曜日

■脂肪乳剤投与の役割

☆脂肪投与の役割
▼必須脂肪酸の供給源
リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸
・細胞膜の構成成分
・プロスタグランジンの気質
▼効率の良いエネルギー源
・等質の約2倍のエネルギー(9kcal/g)
・等質の代替え
・糖質大量投与時の副作用軽減(高血糖、脂肪肝)
▼静脈炎発生の抑制
・血管内皮の保護効果
・投与輸液製剤の浸透圧の低下
・浸透圧とpHが血液に近いので、静脈炎を起こしにくい

☆脂肪乳剤使用の注意点
 製剤の平均粒子径0.2~0.4μm(<1μm)⇒通常のフィルターは使用しない。

☆脂肪乳剤使用の禁忌
①重症肝疾患
 肝臓専門の医師によれば、肝硬変への投与は特に問題ないとのこと(肝硬変の人でも脂肪食べてるでしょ)。しかし肝不全の人へは使わない方がよい。
重症肝疾患との記載は、わかりにくい⇒例えばビリルビンが3を越す場合は、まあ投与をやめた方がよいとのこと。GOT・GPTはそこまで気にしなくてもいい(基準を作るのが難しい)。
②高脂血症
③血液凝固障害
④血栓症
 ③、④については、使ってもそんなに変わり(問題)はないらしいのですが、添付文書に記載されているため裁判になると負けます。


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2013年9月26日木曜日

■輸液の投与スピード

■糖質輸液の投与速度
∇グルコースの投与速度限界:5mg/kg/min以下
・50kgの人に投与する場合、15g/hr以下=360g/day以下
・1日輸液量2000mlとすると、糖質濃度は18%となる。

∇血糖管理からみたグルコース/カロリー投与量の推奨
・グルコース投与速度:4mg/kg/min以下(早く投与すると高血糖になってしまう)
・投与カロリー量:24kcal/kg/day (肥満の場合は理想体重)

∇血糖管理目標:80~110mg/dl
↑実際には、100~150ぐらいでよい。80~110で管理すると低血糖が起こりやすい。

∇TPN施行期間中の血糖管理
血糖管理の目標
・血糖値:100~200mg/dl
・1日尿糖:10g以下(インスリンを使用する場合は尿糖を陰性にしない)
インスリンの投与
・初期量:グルコース10gに対して1単位
・輸液に混注
・輸液バッグ、湯液ラインへの吸着を考慮する
・コントロール不良の場合は微量注入器で注入する

フルカリック1号 ブドウ糖120g、遊離アミノ酸20g⇒560kcal
フルカリック2号 ブドウ糖175g、遊離アミノ酸30g⇒820kcal
フルカリック3号 ブドウ糖250g、遊離アミノ酸40g⇒1160kcal
ソルデム1 200ml ブドウ糖5.2g⇒20.8kcal
ソルデム1 500ml ブドウ糖13g⇒52kcal
ソルデム3A 200ml ブドウ糖8.6g⇒34.4kcal
ソルデム3A 500ml ブドウ糖21.5g⇒86kcal
ソルデム3PG 500ml ブドウ糖50g⇒200kcal
ソルラクト500ml ブドウ糖0g⇒0kcal
ソルラクトD 500ml ブドウ糖25g⇒100kcal
ソルアセトF 500ml ブドウ糖0g⇒0kcal
ソルアセトD 500ml ブドウ糖25g⇒100kcal
5%ブドウ糖注 250ml ブドウ糖12.5g⇒50kcal
5%ブドウ糖注 500ml ブドウ糖25g⇒100kcal
10%ブドウ糖注 500ml ブドウ糖50g⇒200kcal
50%ブドウ糖注 200ml ブドウ糖100g⇒400kcal
50%ブドウ糖注 500ml ブドウ糖250g⇒1000kcal


■アミノ酸輸液の投与速度
アミノ酸の投与速度限界:10g/hr以下
アミカリック500ml ブドウ糖37.5g、遊離アミノ酸13.75g⇒205kcal
アミゼットB200ml 遊離アミノ酸20g⇒80kcal
アミノレバン200ml 遊離アミノ酸15.98g⇒約64kcal
アミノレバン500ml 遊離アミノ酸11.8g⇒約160kcal
ネオアミュー200ml 遊離アミノ酸11.8g⇒47.2kcal


■脂肪乳剤の投与速度:0.1g/kg/時以下
10%イントラファット200ml ダイズ油20g⇒約220kcal
∇体重30kgの場合:3g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、6時間40分以上かけたほうが良い
∇体重35kgの場合:3.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、5時間45分以上かけたほうが良い
∇体重が40kgの場合:4g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、5時間以上かけたほうが良い。
∇体重が45kgの場合:4.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、4時間26分以上かけたほうが良い。
∇体重が50kgの場合:5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、4時間以上かけたほうが良い。
∇体重が55kgの場合:5.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、3時間40分以上かけたほうが良い。
∇体重が60kgの場合:6g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、3時間20分以上かけたほうが良い。



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2013年9月25日水曜日

■末梢静脈栄養における血管痛・静脈炎の要因

■末梢静脈栄養における血管痛・静脈炎の要因
血液の正常値は、浸透圧285mOsm/L・pH7.4・滴定酸度0mEq/Lです。
・静脈炎に関連する要因は、浸透圧・pH・滴定酸度
・輸液剤は、血清浸透圧比<3を使用する
・pH、敵定酸度は、血液正常値に近いものが望ましい

血液の正常値から外れるほど、血管障害性は増大します。
アミノ酸輸液なんかは痛いみたいですよ。

2013年9月24日火曜日

■栄養剤の固形化

少し、PEG〔胃瘻〕について考えてみます。
PEGが普及してきた背景としまして、
経鼻胃管経腸栄養法による投与法〔いわゆる鼻注ってやつ〕では、
・逆流性食道炎や誤嚥性肺炎を起こすことが多い。
・挿入後2週間以内に患者さんが不穏状態となり、自己抜去などをしてしまう頻度が60~70%となっている。

【経鼻胃管に比べたPEGの利点は】
・胃や食道への逆流、そしてそれに起因する重大な合併症である誤嚥性肺炎のリスクが軽減
・見た目の束縛されたような感じからの開放感
・外出や入浴、嚥下性のリハビリが容易である
・チューブ抜去やチューブ詰まりの頻度の軽減
・介護者の負担の軽減

【PEGの問題点】
・液体栄養剤の注入速度が速すぎると下痢や嘔吐が起こしやすくなる。
・栄養の注入に時間がかかりすぎると体位などが長い時間制限され、
褥瘡が悪化したり,胃や食道に逆流を起こし逆流性食道炎や誤嚥性肺炎を起こすリスクが増加する。
・瘻孔周囲から栄養剤が漏れ、痛みやかゆみや皮膚炎そして感染のリスクがある。
そして、経腸栄養の期間が6週未満では、経鼻胃管を6週以上では、胃瘻・腸瘻が進められています。

【栄養剤の固形化の利点】
栄養剤を固めると、栄養剤の胃の中での動きが少なくなり〔胃内での栄養剤の滞留時間が長くなる。〕
「ゼラチンは、体温で溶けてしまうため適さない。」
そして
・胃や食道への逆流の軽減
・栄養剤の漏れの減少
・下痢の軽減
が期待できます。
そして、注入速度を早くできるため、短時間での注入ができ、患者さんの拘束時間の短縮に繋がり、褥瘡悪化のリスクの軽減が考えられます。
しかし、まだまだエピデンスが確立していないため問題はたくさんあります。いやいやこれからもまたでてくると思います。
方法なのですが、寒天や片栗粉で固形化する方法。
そして、栄養剤を増粘剤によって『半』固形化してしまうやり方など。

また固形化を半固形化にすることによって、
調整の際の加熱の必要がなくなったり、投与前に長時間保管する必要がなくなったりというメリットもあります。
メリットばかり上げると栄養剤の固形化がいいのかと思いますが、もちろんデメリットもたくさんあります。
・注入にかかる時間は短くなるが、注入に力がかかる
・調理に時間がかかる
・食事回数が増える可能性がある
・固形化にかかった寒天代などがかかる
・一気に注入することによって患者さんのお腹がパンパンになり苦しくなる可能性がある。


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2013年9月23日月曜日

■食物繊維

食物繊維は体のエネルギーや栄養素にはなりませんが、人間の体のなかでは重要な役割をはたします。
▼コレステロールの上昇を抑え、動脈硬化を予防する。
▼血糖値の上昇を穏やかにし、ブドウ糖の吸収を抑える働きがあるため、糖尿病防止に効果的です。
▼肥満防止(食べ過ぎを防ぐ)。
▼便秘を防ぐ→大腸ガンの発生も抑える
▼体にとって有害なさまざまな物質を排出してくれる。

2013年9月21日土曜日

■エイズの薬代

厚生労働省のまとめによると、2005年の一年間にHIV感染・発症した患者数は、二年連続で、一千人を越えたそうです。早期発見・治療につなげるため、自治体などが、無料・匿名によるHIV検査に力を入れ始めています。新たに感染が判明するのは、二十代・三十代が圧倒的に多く、今後医療費の増大が大きな問題になりそうです。三種類以上の抗ウィルス薬を組み合わせる多剤療法が標準治療だが、ウィルスの増殖を押さえ込むだけで、病気が治るわけではありません。このため一生飲み続けなければならない。薬代は年間200万~300万円で、40年間飲むとなると医療費は一人一億円前後になる。

2013年9月20日金曜日

■SARS(重症急性呼吸器症候群)

SARS(重症急性呼吸器症候群)についてです。
SARSはSARSコロナウィルスを病原体とする感染症です。
SARS患者と接した医療関係者や同居の家族等、患者の咳を浴びたり、痰や体液等に直接触れる等の濃厚な接触をした場合に感染し、2日~7日最大10日間程度の潜伏期間を経て発症します。潜伏期あるいは、無症状期における値への感染力はない、あったとしても極めて弱いと考えられています。
またSARSコロナウィルスは、エタノールや漂白剤等の消毒で、死滅します。現在のところ患者が触れた物を通じてSARSが人へ感染する危険は小さいと考えられています。

2013年9月19日木曜日

■薬の副作用

今日は薬の副作用に関するトピックスです。
医師の処方による薬で成人の30%が副作用を経験していることが薬の適正使用競技会の調査でわかった。前回の1999年の調査に比べて9ポイント減少しており、同協議会は副作用への意識の高まりを受け、医師や薬剤師が以前より丁寧に薬の説明をし、患者も気をつけるようになったためではないかとしている。
調査は昨年10月全国の20~69歳の2000人にFAXで実施し、80.4%の1607人の回答を得た。
薬を飲んで発疹がでたり、胃がもたれたりといった副作用の経験者は30%で、未経験者は70%だった。処方薬の説明を『十分に受けた』のは44%で、前回調査より16%増。『少し受けた』は49%。『全く受けなかった』は6%だった。だが薬の中で知りたい情報として『副作用』をあげたのは70%に上ったのに対し、実際に副作用の説明を受けたのは27%にとどまり、医師や薬剤師と患者の意識のズレが浮き彫りになった。

2013年9月18日水曜日

■鉄欠乏性貧血:貧血と鉄

◇鉄欠乏性貧血◇
名前の通り鉄が欠乏することにより骨髄でのヘモグロビン合成が障害される小球性低色素性貧血です。
原因としては、胃切除後の鉄の吸収低下や慢性消化管出血による鉄の排出が増えてしまうことや成長期女性の必要な鉄分の増大などにより引き起こされます。鉄不足で血清の鉄分が少なくなるため、総鉄結合能・不飽和鉄結合能は上昇し、鉄を貯蔵する蛋白のフェリチンの低下が認められます。
鉄欠乏性貧血では鉄剤が投与されますが、その鉄剤の投与は体に鉄が貯蔵されるまで、フェリチンが正常な値になるまで必要です。

◇貧血と鉄◇
貧血とは赤血球の生産障害や出血などによって、血液中の赤血球やヘモグロビンが減ってしまう状態です。赤血球は酸素の運送に関わってるため、貧血になると全身の細胞が酸素不足になり、倦怠感が起こる。
人間の体には約4~5gの鉄が存在しているが、その60%~70%は血液のヘモグロビン内にヘム鉄として含まれている。残りは貯蔵鉄として、肝臓や骨髄に貯められていり。血中の鉄は酸素とくっつき、全身に酸素を運ぶ働きがあるため、血中の鉄が不足すると、貯蔵鉄が不足している分を補うので、鉄欠乏性貧血が起きるわけです。
鉄欠乏性貧血が起きると、動悸やめまいや疲労などの症状が起こり、顔に赤みがなくなってしまうので、顔色が悪くなってしまいます。そして、その結果免疫力が落ち、口内炎や舌炎などの粘膜に異常がおきてしまいます。

2013年9月15日日曜日

■質問:ニカルジピン注投与による静脈炎を予防するためには、どうすればいいですか?

ニカルジピン注って静脈炎を起こしやすい注射液なんです。
病棟の看護師さんに、『ペルジピン注投与するといつも静脈炎が起こりやすいんですけど、予防する何かいい方法ないですか~?』って質問いただきました。
■質問:ペルジピン注投与による静脈炎を予防するためには、どうすればいいですか?
【質問者:ICU看護師・2階病棟看護師】
≪回答≫
・原液投与を避けて生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01~0.02%(1ml当たり0.1~0.2mg)溶液を点滴静注する
・同一静脈による連続投与を避ける
・24~72時間ごとに留置針を交換する
・口径の小さい針・プラスチックカニューレを使用していただく
0.01%、0.02%の点滴静注時の薬剤の調製法の表も作ったのですが、ブログには貼り付けられませんでした・・・。
※0.01%(1ml→0.1mg⇔100ml→10mg)液を作るのであれば生理食塩液100mlに対し10ml抜いてニカルジピン10mlを入れても0.01%です。


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2013年9月14日土曜日

■質問:水分制限患者様にGFOを投与する場合どれぐらいまで水分を減らすことができますか?

GFOっていうのは、G(グルタミン:アミノ酸)F(ファイバー:食物繊維)O(オリゴ糖)が、入っている食品です。絶食期間をできるだけ作らずに早め早めにGFOなどを投与することにより腸を動かせば腸管粘膜の萎縮が防がれ、感染症などにかかるリスクが減少したなどの報告があります。また偽膜性腸炎に有効とか下痢にも便秘にもいいとか言われています。

■質問:水分制限患者様にGFOを投与する場合どれぐらいまで水分を減らすことができますか?
【質問者:ICU看護師】
≪回答≫
通常GFOは、一袋を100~150mlの水に溶解して投与するということになっていますが、それは溶解後の浸透圧を考慮して考えられています。
・GFO一袋を100mlの水に溶かした場合→浸透圧400~450mmOsm
・GFO一袋を150mlの水に溶かした場合→浸透圧260~300mmOsm
少し溶けにくいかもしれませんが、50mlの水で溶かしていただいて、(浸透圧が少し高くなるため)ゆっくりと投与していただければいいかと思います。


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2013年9月13日金曜日

■カリメート散は、注入時どのような投与方法を行えばチューブに詰まりにくく投与できますか?

■質問:カリメート散は、注入時どのような投与方法を行えばチューブに詰まりにくく投与できますか?
【質問者:2階病棟看護師】
≪回答≫
カリメート散は、水でもお湯でも溶けません。1包(5g)を1回で投与するより、2.5gを2回に分けて投与する方がいいと思います。
①カリメート散2.5gを水20mlに懸濁させる。
②すぐに積もってくるので、均一に分散させ(よく振りまぜ)その状態で急いで注入すればチューブ詰まりをするリスクが軽減すると思われます。
※同様にタンニン酸アルブミンも溶けにくい粉〔1gを溶かすのに10L以上の水が必要だとか〕ですので、上記のような投与方法がいいと思われます。けれど、タンニン酸アルブミンを頑張って投与するのならロペミンを簡易懸濁法で溶かして投与する方が楽かもしれません・・・。



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■質問:透析患者さんにマグコロールPを投与する時の注意点を教えてください。

■質問:透析患者さんにマグコロールPを投与する時の注意点を教えてください。
【質問者:2階病棟看護師】
≪回答≫
マグコロールPは、透析患者さんには、いちおう禁忌と言われているが、透析学会では、問題ないという意見もでています。しかし、禁忌なので、もし患者様に何か起これば責任が問われるかもしれません。高張液投与(マグコロールP1包+水144~180ml)の方が水分制限ができるため、いいと思われるが、それよりも等張液投与(マグコロールP2包+水1800ml)が進められている。というのも、マグコロールPには、マグネシウムが含有されており、高張液投与では、高Mg血症(Mgは腎により大部分排泄される)になってしまう可能性があるからだそうです。また、マグコロールPを使用しない場合は、ラキソベロン+グリセリン浣腸+腸洗浄などの方法で補っていくことになるでしょう。

2013年9月12日木曜日

■質問:フルカリックを2日かけて投与する場合、何か考えられる問題はありますか?

■質問:フルカリックを2日かけて投与する場合、何か考えられる問題はありますか?
【質問者:ICU看護師】
≪回答≫
メーカーさんより投与に関する問題は、特にありませんとのことです。ただ、配合されているビタミンCの含量が48時間後には、90%を切ってくるとのことです。アミノ酸などは特に問題はないそうです。またメドレニックなどの微量元素剤を混注することによって24時間以内でも含量低下が早めに見られてくる可能性があるとのことです。

■質問:アンヒバ坐薬とナウゼリン坐薬の2種類の坐薬を使いたいのですが、同時に投与してもいいですか?

■質問:アンヒバ坐薬とナウゼリン坐薬の2種類の坐薬を使いたいのですが、同時に投与してもいいですか?
【質問者:病棟看護師】
≪回答≫
2種類の坐薬を同時に投与したい場合、坐薬の基剤(薬の成分がどんな物質に混ぜてあるか、水溶性基剤と油脂性基剤の2種類がある)を考えないといけません。
今回のアンヒバ坐薬〔薬理成分のアセトアミノフェンは脂溶性物質〕は油脂性基剤で、ナウゼリン坐薬〔薬理成分のドンペリドンは脂溶性物質〕は水溶性基剤です。同時に投与するとナウゼリンの薬理成分であるドンペリドン〔脂溶性物質〕が、アンヒバ坐薬の油脂性基剤に取り込まれてしまってドンペリドンの直腸吸収が遅延してしまい、血中濃度の低下をまねきます。なので、油脂性基剤の影響を受けないようにナウゼリン坐薬を先に投与し、30分以上経過してからアンヒバ坐薬を投与する方法が望ましい方法だと思われます。
期待する効果が得られない場合があるので、基本30分以上間隔をあけて使用してください。


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2013年9月11日水曜日

■質問:ブロメライン軟膏と配合変化が起こる外用剤・ドレッシング剤を教えてください。

■質問:ブロメライン軟膏と配合変化が起こる外用剤・ドレッシング剤を教えてください。
■質問者:褥瘡委員会
■回答:ブロメライン軟膏には-SH基があり、Agやヨードを含む軟膏・ドレッシング剤と合わさることによって-SH基の化学変化が起こり、ブロメライン軟膏の効果が得られなくなる可能性があります。Agを含むドレッシング剤は、『アクアセルAg』があり、軟膏は、『ゲーベンクリーム』があります。ヨードを含む軟膏は、『カデックス』と『ユーパスタ』があります。これらの製品とブロメライン軟膏が合わさることは、避けてください。


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■カルタン錠と沈降炭酸カルシウム散を同じ量投与しても効果は変わらないのですか?

■質問:カルタン錠と沈降炭酸カルシウム散を同じ量投与しても効果は変わらないのですか?
■質問者:透析Ns
■回答:カルタン錠と沈降炭酸カルシウム散は、成分も同じなので同用量の成分を投与すると基本的に効果に差はないそうです。
例)【カルタン錠(500mg)3T3×/1日】=【沈降炭酸カルシウム1.5g3×/1日】
ただし、カルタン錠と沈降炭酸カルシウム散では、適応が違います。

▼カルタン錠
【効能または効果】
・下記患者における高リン血症の改善(保存期及び透析中の慢性腎不全患者)
【用法および用量】
・通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

▼沈降炭酸カルシウム散
【効能または効果】
・下記疾患における制酸作用と症状の改善胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
【用法および用量】
・沈降炭酸カルシウムとして、通常成人1日1~3gを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。


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2013年9月10日火曜日

■タミフル脱カプセル細粒の作り方

【タミフル脱カプセル細粒の考え方】
タミフルドライシロップ3%は、1g中にオセルタミビルという成分が30mg含まれています。
3%の細粒を作るのであれば、要は1g中にオセルタミビルを30mg含有している細粒ができればいいということです。
ちなみにタミフルカプセルは、1カプセル中に75mgオセルタミビルを含有しています。

例えば、タミフルカプセル75mgを4カプセル脱カプセルし、乳糖なりの添加物を加え全量10gにしてみます。するとその中には、10g中にオセルタミビルが75mg×4=300mg含まれていることになります。
300mg/10g⇒30mg/1g⇒3%散=タミフルドライシロップ3%と同じ濃度になります。
・タミフルドライシロップ3%:30mg/1g
・タミフル脱カプセル細粒:(75×4)300mg/10g⇒30mg/1g

【タミフル脱カプセル細粒の作り方】
タミフルカプセル4カプセルを脱カプセルします。それに乳糖を加え全量を10gとします。〔タミフル1カプセルの全量は、165mgです。タミフル4カプセルでは、0.165g×4=0.66g。10-0.66g=9.34g。乳糖は、9.34g加えればいいということになります。〕
2種類の粉が混ざるようによく混ぜます。
これで、タミフル脱カプセル細粒3%散の出来上がりです。
 
◇この細粒は、ドライシロップに比べて苦味があります。小さなお子様が、飲めるように工夫しないといけませんね。


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■副腎機能低下症の診断:CRH試験・ACTH試験

■副腎機能低下症の診断:CRH試験・ACTH試験

CRH試験】
ヒトCRH静注用を負荷した後、血中のACTHとコルチゾールを測定します。
①早朝空腹時に、基礎値測定用に採血をする。
②成人には100μg/mI、小児には1.5μg/kg×体重量のCRHを静注する。
③それぞれの最高濃度(頂値)を示す時間(ACTHは約30分、コルチゾールは約60)と頂値後の数ポイントを採血、それぞれのACTHおよびコルチゾール濃度を測定する。 

【迅速ACTH試験】
①注射前少なくとも30分安静にする。
②前採血(a)する。
③コートロシン注射用0.25mg1アンプルを筋注又は静注する。
④注射後30(b)及び60(c)に採血する。
(a)(b)(c)の血中コルチゾールを測定する。

【連続ACTH試験】
①コートロシンZ筋注0.5mgを筋注する1及び2日前の24時間尿を対象サンプルとして蓄尿し、血中コルチゾールを測定する。
②その後の3日間、コートロシンZ筋注0.5mgを朝8時に1アンプル(1mL)1回筋注する。
③筋注終了日の翌日までの24時間尿を蓄尿し、尿中コルチゾールを毎日測定する。
※この時、蓄尿の正確さを確認するために尿中クレアチニンも測定すると尿中クレアチニン1gあたりの尿中ホルモン排泄量を算出できる。

2013年9月9日月曜日

■HSE(高張ナトリウム・エピネフリン)の作り方

≪HSE(高張ナトリウム・エピネフリン)の作り方≫
HSEは、出血性胃潰瘍時の内視鏡的止血治療に使われる止血剤です。
HSE:hypertonic saline epinephrine

院内製剤ですので、一般的な作り方を載せておきます。

生食15mlに対し10%塩化ナトリウム注射液5mlとアドレナリン注0.11mlを混合する。

2013年9月8日日曜日

■持効型インスリン製剤:レベミル1日2回打ち⇒ランタス1日1回打ちへの切り替え

■質問:レベミル1日2回打ちしている患者様をランタス1日1回打ちへ切り替える場合の注意点を教えてください。
■質問者:薬剤師
■回答:レベミルもランタスも1日1回もしくは、1日2回打ちの持効型インスリン製剤です。メーカーさんに問い合わせた結果、1日1回打ちの場合、レベミル注からランタス注への切り替えを行う場合は、打つ単位数は同じ単位数でいいみたいです。そしてレベミル1日2回打ちをランタス1日1回打ちに切り替える場合は、レベミルの打つ1日単位数(2回分)の7~8割を、ランタス1日1回投与すればいいとのことです。

2013年9月7日土曜日

■コムタンの最大の売りは、 L-ドパの最高血中濃度を上げずに、血中半減期を延長する!!


■コムタン錠
 レボドパを体内で分解してしまう「COMT(コムト)」という酵素の働きを抑える薬。
 酵素COMT(コムト)を阻害することでレボドパが体内で分解されにくくなるため、レボドパが脳内に届きやすくなり、ドパミンの効き目が長く続きます。
 パーキンソン病において最も重要かつ基本的な薬は“レボドパ”です。このレボドパの問題点として、長期服用により効き目が落ちてしまう ということがあります。効いている時間が短くなり、次の服薬前に病気の症状(ふるえ・こわばり・動作緩慢)が出てしまうのです(wearing-off現象)。
 このお薬は、レボドパが効いている時間を延ばします。1日平均1.4時間延ばすことが臨床試験で示されています。単独では効果がありませんので、必ずレボドパ製剤(レボドパ・DCI配合薬)と一緒に飲むようにします。併用することにより、パーキンソン病における日内変動(wearing-off現象)の改善効果が期待できます。

◇コムタンの最大の売りは、 L-ドパの最高血中濃度を上げずに、血中半減期を延長する!!

2013年9月4日水曜日

■パーキンソン病の薬物療法...

 
■パーキンソン病治療の目的は、
・患者さんの症状の改善
・長期にわたるQOL(生活の質)の維持

■パーキンソン病の薬物療法
▽L-ドパ製剤
・パーキンソン病の患者さんは、身体を動かすために神経に命令を送るドパミンという物質が不足しています。
・L-ドパは、脳内に不足したドパミンを補う薬。
・振るえ・こわばりなどの症状に効き、身体もスムーズに動けるようになる。
・長い期間服用すると、患者さんによっては薬の効いている時間が短くなったり(ウェアリングオフ)、手足が勝手に動いたりする(ジスキネジア)などの問題が出ることがわかってきました。

▽ドパミン受容体刺激薬
・脳内でドパミンを受け取る部分を刺激して働きをよくする薬。
・パーキンソン病の症状全般に効く。
・飲み始めると幻覚・妄想・吐き気・悪心・食欲低下・眠気・めまい・ふらつきなどの副作用が起こることがある。飲んでいるうちに身体がだんだんと慣れて副作用が出なくなってくる。そのため少量から始めて徐々に増量していく。
・効き目は長く続くが、レボドパより弱い。

▽抗コリン薬
・脳の中のドパミンが減少すると、相対的にアセチルコリンという物質の働きが強くなるので、アセチルコリンの働きを抑えてドパミンとのバランスをとる薬。
・振るえや関節のこわばりに効果があります。
・ノルアドレナリンを補う薬。
・脳内でノルアドレナリンという物質に変わり、不足しているノルアドレナリンという物質を補う薬。
・歩き始めの第一歩目がなかなか出ない患者さんによく効くと言われます。起立性低血圧にも効きます。

▽ドパミンの放出を促進する薬
・L-ドパを補助する薬。
・関節のこわばりに効果があります。
・ドパミンが分解されるのを抑える薬
≪エフピー≫
脳内でドパミンを分解するモノアミン酸化酵素の働きを抑える薬。
≪コムタン≫
レボドパを体内で分解してしまうCOMTという酵素の働きを抑える薬。
*L-ドパ製剤と併用するとL-ドパの効果が弱くなるのを防いだり、オン・オフ減少を減らす効果があります。

▽アデノシンA2A受容体阻害薬 ノウリアスト錠
・大脳基底核の中にある神経細胞はアデノシンA2A受容体によって興奮的に働き、ドパミンによって抑制的に働きます。
・パーキンソン病患者ではドパミン量が減っていることによって、相対的にアデノシンA2A受容体による作用が強くなっています。
・アデノシンの受容体を阻害して、ドパミンとアデノシンのバランスを整える薬。
・ウェアリングオフ現象に対して有効。

2013年9月3日火曜日

■骨粗鬆症危険度チェック解説




【骨粗鬆症危険度チェック解説】
①年齢:女性は閉経後、男性でも70歳を超えると、骨量が減少しやすくなる。
②閉経した: 閉経後は女性ホルモンが急激に減るため、骨量が減少しやすくなる。
③体格が細身:細身の人・やせている人は、骨も細いことが多い。また脂肪組織の少ない人は、女性ホルモンの産生が低下する可能性がある。
④背が縮んだ・背中や腰が丸くなる:背骨が弱くなると、体重で背骨がつぶれるため、背が低くなることがある。また背骨の骨折・変形などにより背中や腰が曲がってくる。
⑤骨折:転んだり、物にぶつかったような程度でおこった骨折を経験した人は、骨粗鬆症で骨が弱くなっている可能性がある。
⑥乳製品:乳製品にはカルシウムが多く含まれており、骨を強くする。骨粗鬆症を予防するために積極的にとるようにしよう。
⑦大豆製品:乳製品と並んで、カルシウムの多く含まれる代表的な食品のひとつ。また、納豆にはカルシウムが骨にくっつくのを助けるビタミンKが含まれています。
⑧運動:日常的な適度の運動は、骨を強くする。カルシウムをとって運動をしていると、骨の量の維持に効果的。
⑨屋外:日光の紫外線により、カルシウムの吸収に必要なビタミンDが皮膚で合成されます。またビタミンDは食べ物からもとることができます。
⑩家族:骨粗鬆症の患者さんと、その娘さんでは骨量の減少傾向が同じであることがある。また、乳製品など食事の好き嫌いが家族で似ている場合もあります。
⑪ダイエット:栄養バランスを無視したダイエットは、カルシウムをとるのが不足しがちになります。
⑫タバコ:骨の量を減らす可能性がある。
⑬アルコール:骨の量を減らす可能性がある。
⑭ステロイド治療:ステロイド剤の内服は、骨の量を減らすことが知られている。
⑮胃腸の手術:胃や腸の手術後では、カルシウムの吸収が低下することがある。

2013年9月2日月曜日

■骨粗鬆症危険度チェック





【骨粗鬆症危険度チェック】
①年齢は55歳以上である  
②閉経した
③どちらかといえば体格は細身である  
④最近背が縮んだ・背中が丸くなったり、腰が曲がってきた
⑤45歳以降、ちょっとしたことで骨折したことがある...
⑥牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品をあまりとらない
⑦納豆・豆腐などの大豆製品をあまりとらない
⑧散歩など、日常的に体を動かすことをしていない
⑨屋外に出ることが少ない
⑩家族に骨粗鬆症と診断された人がいる
⑪ダイエットをしたことがある
⑫タバコを吸っている
⑬アルコールをよく飲む
⑭内服のステロイド剤を使っている
⑮胃や腸の手術をしたことがある

■骨粗しょう症は自覚症状の乏しい病気です。




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
■骨粗鬆症は自覚症状の乏しい病気です
 背中が丸くなる、身長が縮むといった症状は徐々に起こるためなかなか病気であると気がつきません
 したがって、気がついたときには病状がかなり進行していたということも少なくありません
 骨粗しょう症によりもろくなった骨は、体の重みが加わるだけで潰れてしまうことがあります
 これ圧迫骨折といいます。圧迫骨折が起こると背骨が曲がったり、身長が縮んだり、痛みを伴ったりします
 ただし、このような状態になっても痛みを伴わない場合もありますので、日ごろから自己チェックが必要になります
 骨粗鬆症は、早期発見・早期治療が重要なのです。

2013年9月1日日曜日

■骨粗鬆症とは、

 
■骨粗鬆症とは、
 骨形成速度(骨が作られる速度)よりも骨吸収速度(骨が壊れていく速度)が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状をいいます。
 背中が曲がることに現れる骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となります。
 骨折は一般に強い外力が加わった場合に起こるが、骨粗鬆症においては、日常生活程度の負荷によって骨折を引き起こします。
 骨粗鬆症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありません。
 骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関...節の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質を著しく低下します。

■日本では厚生労働省によると、
 日本国内の患者様は高齢女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない未受診者を含めると、推計で1100万人超(日本の人口1億2800万人)に上ります。
 患者様の8割は女性です。
 ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降の女性に多く、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が、骨粗鬆症になっている可能性があると予想されます。
 初期段階では自覚症状がなく、骨折して初めて気づくケースも少なくありません。