2013年10月3日木曜日

■褥瘡と栄養

▼不良肉芽とは、真っ赤ではない肉芽であり、原因として除圧不足や鉄欠乏などが考えられる。
鉄が欠乏していると良好な肉芽はなかなか得られない→Hbにより肉芽の色は変わってくる。
◇不良肉芽の色(除圧不足を取り除いた後)とHbの関係
・Hb8以下:肉芽の色は、鶏肉色
・Hb9~10台:肉芽の色は、豚肉色
・Hb11以上:肉芽の色は、牛肉色
というわけで、この話を聞いてから不良肉芽のある患者様のHbについて注意してみていくことにしました。もともとHbは、栄養指標として注意してみてましたが、当院でもHbが10以下で、フェリチン・Feなどが低い患者さんに積極的に貧血食や鉄剤の投与を検討していきたいと思い現在、患者様の抽出を強化していっているところです。

▼Refeeding syndromeとは、慢性の半飢餓状態がの代謝に適合している患者に、大量のブドウ糖を急激に投与することで、主に体液量と電解質の以上に関連した、重篤な心肺機能および神経系の合併症〔心不全・末梢浮腫・けいれん・昏睡など〕を引き起こし、死に至る可能性が高い症候群。
大量の炭水化物投与の急速な再開により→低リン血症・低カリウム血症・低マグネシウム血症→死に至ることがある。
①まずその飢餓状態のときにどのくらいのカロリーを摂取していたかを調べる。
②摂取していたカロリー+100kcalぐらいから投与を開始する。
③3、4日後、100~200kcalぐらいずつ増やしていく。

▼褥瘡患者の亜鉛〔Zn〕の必要量
・欠乏の疑いがなければ、15mg/日
・欠乏の疑いがあれば、15~30mg/日
・亜鉛が不足し、欠乏症の発現まで14~45日である

▼栄養素:創傷治癒との関係:褥瘡患者での必要量/日
・鉄:血流の確保、組織への酸素運搬:12~15mg
・亜鉛:酵素活性、蛋白合成に重要な酵素を構成する:15mg前後
・ビタミンA:コラーゲンの合成、免疫力の向上:800~900μg
・ビタミンC:抗酸化作用、組織修復、抗炎症作用:500mg以上
・ビタミンE:細胞の老化防止、血流確保、ホルモン分泌:8~10mg
・アルギニン:一酸化窒素(NO)を産出、血管拡張・コラーゲン合成、免疫増強、細胞増殖因子の分泌促進:6~7g
・血糖値:循環障害をきたしやすく軟部組織を脆弱にするため褥瘡の原因となりやすい。糖尿病では末梢神経障害のほか、免疫力が低下しやすい。:80~110mg/dl以下

▼褥瘡の発赤を見てみよう
・発赤部を押してみて色が変わる〔赤→白っぽくなったりする〕→まだ血流がある。
・発赤部を押してみて色が変わらない→血流通ってないかも?

▼せっけん洗浄法
行った場合の褥瘡の治りは、1.7倍早い

▼褥瘡回診あったらいいかもアイテム
・看護師→体圧形+P-ライト
・薬剤師→褥瘡薬剤+せっけん
・栄養士→食品サンプル

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