2014年7月31日木曜日

■ガバペンチン:ガバペン錠

≪商品名≫
ガバペン錠200mg・300mg・400mg

≪販売メーカー≫
ファイザー

≪作用機序≫
・興奮系神経系の前シナプスにおいて電位依存性Caチャネルのα2δサブユニットに結合し、Caの流入を抑制することによりグルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制
・脳内GABA量を増加させ、GABAトランスポーターを活性化し、抑制性神経系であるGABA神経系機能を維持、増強

≪用法・用量≫
初日: 1日600mg 分3
2日目:1日1200m 分3
3日目以降: 維持量 1日12001800mg 分3 (最大量2400mg)

≪特徴≫
▽部分てんかん発作に有効
既存の抗てんかん薬で十分抑制できない部分発作抑制効果が認められる。
既存の抗てんかん薬の併用療法に使用される。

▽維持用量に達する時間が短い
投与初期の用量調節期間を長く設定する必要性がなく、数日間のうちに速やかに維持用量に達することができる。

▽腎排泄型の薬剤である
クレアチニンクリアランスに応じた投与量の調整が必要である。
≪クレアチニンクリランスに応じた『ガバペンチン:ガバペン錠』の投与量≫


クレアチニンクリアランス

(ml/)

60

3059

1529

514

1日投与量(mg/)

6002400

4001000

200500

100200

投与量

初日

1200mg

13

1200mg

12

1200mg

11

1200mg

11

維持量

1400mg

13

1300mg

12

1300mg

11

1300mg2日に1

(1200mg2日に1回も考慮)

1600mg

13

1400mg

12

1400mg

11

最高投与量

1800mg

13

1500mg

12

1500mg

11

1200mg

(1300mg2日に1回も考慮)

▽代謝酵素P450の誘導・阻害がなく、他の抗てんかん薬と相互作用を起こしにくい。

▽併用注意の薬剤は、制酸薬とモルヒネ
制酸薬と併用すると血中濃度の低下が見られるため、相互作用回避のために制酸薬服用後2時間以降にガバペンチンを服用するよう指導する。
モルヒネと併用するとAUCCmaxが増加するため必要に応じ、投与量を減量する必要がある。

≪血中濃度モニタリング≫
定期的な血中濃度モニタリングは不要である。

≪副作用≫
頭痛、複視、倦怠感、行動異常


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2014年7月21日月曜日

■肝不全用経腸栄養剤の組成:アミノレバンEN・ヘパンED


 
アミノレバンEN(3包)
ヘパンED(2包)
常用投与量
150(3)/
160(2)/
エネルギー(kcal)
630
620
タンパク質()
40.5
22.4
結晶アミノ酸
19.5
22.4
BCAA量
・イソロイシン
・ロイシン
・バリン
18.2
6.1
6.8
5.4
10.9
3.5
4.2
3.2
AAA量
・フェニルアラミン
・チロシン
0.6
0.5
0.1
0.2
0.2
フィッシャー比
38
61
その他のアミノ酸
・アルギニン
・グリシン
・その他
21.5
2.6
5.2
13.7
11.2
3.5
0.9
6.8
 ゼラチン加水分解物
19.5
 カゼインナトリウム
1.5
糖質()
93.2(デキストリン)
123.4(デキストリン)
脂質()
10.5(コメ油)
5.6(ダイズ油)
Na(mg)
(mg)
Ca(mg)
Mg(mg)
Cl(mg)
(mg)
125.1
529.5
174.9
60.6
656.9
251.3
368.0
436.0
490.1
80.0
754.1
378.1
Zn(mg)
Fe(mg)
Mn(mg)
Cu(mg)
(μg)
2.6
3.9
0.6
0.4
28.7
7.2
2.1
0.6
0.4
50.1
ビタミン
各種
各種
特徴
・低たんぱく質の併用を想定し、総アミノ酸量を多め、フィッシャー非を少なめに想定。
・糖質を減量(DMの合併症が多いため)
・Naを減量(腹水を合併していることが多いため)
・長期投与の安全性が確立。
・フィッシャー比が高い。
・アルギニン、亜鉛を増量(尿素回路を活性化してアンモニア量を低下させる)
・窒素源が結晶アミノ酸のみで構成・食事との組み合わせが容易。
・グリシンを減量(アンモニアを産生しやすいため)


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