2015年7月23日木曜日

■抗生物質の血中濃度を 測定する意義は!?

一般に最も多く使用されるペニシリン系、セフェム系などのβラクタム剤は細菌特有の細胞壁の合成を阻害し、ヒトにはほとんど毒性がないという特徴をもっています。
そのため安全域が広く、血中濃度の増加に比例して副作用が増加することがほとんどないことから、血中濃度の測定を行いません。
しかし、バンコマイシンやアミノ配糖体(ゲンタシン、アルベカシンなど)を使用するときには、血中濃度を測定します。
これらの薬剤は血中濃度の高い状態(中毒域)が続くと腎障害や聴覚障害などの重篤な副作用をまねく可能性があります。逆に使用量が少なすぎると効果が得られず、血中濃度が低い状態(無効域)が続くとバンコマイシン耐性腸球菌などの耐性菌を出現させる可能性があります。そこで、副作用や耐性菌の出現を避けるために血中濃度を測定し、投与量や投与間隔を調整します。
≪バンコマイシン血中濃度測定の採血のタイミング≫
投与3日目以降の投与直前



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