2015年7月20日月曜日

■子宮頸がんワクチン『サーバリックス』

子宮頸がんは、発がん性HPVの感染が原因です。
子宮頸がんは若い世代に多い癌で、20〜30代で急増しています。
ほとんどが発がん性ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染が原因となって発症します。
発がん性HPVは、性行為により感染しますが、特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性が一生のうちに一度は感染するありふれたウィルスです。
発がん性HPVは、いくつかのタイプがあり、その中でもHPV16型・18型は子宮頸がんから多く見つかるタイプです(日本人子宮頸がんから見つかる発がん性HPVの67%)。

サーバリックスは、発がん性HPVの感染を防ぐワクチンです。
ワクチンを接種すると抗体ができます。
抗体は、ウィルスと戦って、ウィルスの感染を防ぎます。
サーバリックスは、特に子宮頸がんから多く見つかるHPV16型と18型の感染をほぼ100%防ぐことができます。
サーバリックスの予防効果は、これまでに6.4年間続くことが確認されています。
十分な効果を得るためには、3回の接種が必要です。
サーバリックスは、初回接種、初回接種から1か月後、初回接種から6か月後の3回、腕に筋肉内注射します。
3回接種することで、十分な予防効果が得られるため、きちんと最後まで接種することが重要です。

サーバリックスを接種した後に注射した部分が腫れたり痛むことがあります。
このような痛みや腫れは、体内でウィルス感染に対して防御する仕組みが働くために起こりますが、通常は数日間で治ります。
≪主な副作用≫
▼頻度10%以上
痒み、注射部分の痛み・赤み・腫れ、胃腸症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)、筋肉の痛み、関節の痛み、頭痛、疲労
▼頻度1〜10%未満
発疹、蕁麻疹、注射部分のしこり、めまい、発熱、上気道感染
▼頻度0.1〜1%未満
注射部分のピリピリ感・ムズムズ感
▼頻度不明
失神、血管迷走神経発作(息苦しい、息切れ、動悸、気を失う)

サーバリックスを接種しても定期的な子宮頸がん検診は必要です。
サーバリックスは、HPV16型と18型の感染を予防しますが、すべての発がん性HPVの感染を予防できるわけではありません。
また接種前に感染している発がん性HPVを排除したり、発症している子宮頸がんや前がん病変(がんになる前の異常な細胞)の進行を遅らせたり、治療することはできません。
そのためサーバリックスを接種しても、定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。
子宮頸がんは、長期間かけて発症する病気であり、早期に発見すれば癌になる前に治療が可能です。
サーバリックスの接種と検診で、子宮頸がんからより確実に自分の体を守りましょう。



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