2015年10月15日木曜日

■半固形化栄養剤を投与中の患者さまへの白湯(水分)投与のタイミングは!?


液体経腸栄養剤では、栄養剤投与後に引き続いて白湯の投与が行われます。

しかし、短時間注入法での水分補給は、白湯を固形化栄養剤の投与直後に投与すると、半固形の利点が少なくなってしまいます(逆流、漏れなど)

一般的に液体は30分ぐらいで半量以上が胃から排出されるため、水分補給は、固形化栄養剤の投与約30分前か中間に行います。

誤嚥のリスクが高い場合は、半固形化した水や製品(アクアゲル、PGウォーターなど)を、投与30分ほど前に投与するが、水分補給としてはコストがかさんでしまいます。




2015年10月13日火曜日

■半固形化栄養剤を使用した場合のフラッシングは!?

こべりついた半固形化栄養剤は、通常のフラッシュだけでは、洗浄できにくいです。
ゲル化した水(PGウォーターなど)をチューブに通すことで、付着した半固形化栄養剤がきれいに洗い流されます。





2015年10月9日金曜日

■ガストログラフィンは、開封後どのくらい安定なの!?


添付文書には、開封後は速やかに使用することと記載されているが、メーカー資料によると遮光下で8週間安定。

薬液は高浸透圧のため、菌は繁殖しにくいとのメーカー回答あり。





2015年10月5日月曜日

■妊婦が薬を飲んで薬の影響が大きい時期は!?




妊娠月数

1ヵ月

2ヶ月

34ヶ月

510ヶ月

服用の危険度

(妊娠日数)

無影響期

(027)

絶対過敏期

(2850)

相対過敏期

~比較過敏期

(5184)

(85112)

潜在過敏期

(113~出産日まで)

奇形について

奇形は起こりにくい

最も注意が必用

まだまだ注意が必用

奇形は起こりにくくなるが、胎児への影響はあるので注意が必用

妊娠2ヶ月(2850)は、最も注意が必要です。




2015年10月4日日曜日

■胎児ワルファリン症候群とは!?

 妊娠中にワルファリンを服用すると、胎児の発育や脳の発育が障害されたり、骨形成異常に起因する顔面形成異常、指の短縮、骨端形成障害などが生じる可能性があります。組織学的は軟骨形成の異常が特徴です。





■妊婦への投与が禁忌である代表的な薬剤




薬剤

胎児への影響

ACE阻害薬

胎児腎障害、子宮内胎児死亡

ワルファリンカリウム

胎児ワルファリン症候群

フェニトイン(抗てんかん薬)

頭部顔面異常、心奇形など

プロピオチオウラシル(抗甲状腺薬)

先天性甲状腺腫、甲状腺機能低下症

テトラサイクリン系抗菌薬

肝障害、高ビリルビン血症

アミノ配糖体系抗菌薬

腎毒性、聴神経毒性

5-FU、MTX

子宮内胎児死亡、奇形




2015年10月3日土曜日

■サリドマイド事件とは!?


サリドマイドは、1950年代に西ドイツで開発された睡眠薬で、日本では胃薬としても販売され、妊婦のつわりにもよく用いられていました。

しかし、催奇形性があることが明らかになり、妊娠初期の妊婦の服用により四肢の全部あるいは一部が短いなどの独特の奇形をもつ新生児が世界中で多数生まれました。

日本でも1959年から10年間に四肢や目や耳などに先天的な障害を受けた子が309人生まれました。

しかし、現在サリドマイドは多発性骨髄腫などの治療薬としての再評価が進み、アメリカでは2006年FDAにより認可されています。




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■ムコスタ(レバミピド)が、口内炎の発生予防に効果がある!?

癌化学療法では、口腔粘膜にフリーラジカルが発生し口内炎が発生し、発生頻度も高い。

適応外ではあるが、ムコスタ錠(レバミピド)にその口内炎の発生予防の効果がある。

胃炎・胃潰瘍治療薬であるムコスタ(レバミピド)の作用メカニズムにヒドロラジカル消去作用とスーパーオキサイド産生抑制作用があるためである。

ムコスタ(レバミピド)含嗽液を1300ml(レバミピド300mg相当)16回の含嗽を実施したところ、癌化学療法における口内炎の発生を予防したことに加え、放射線治療による口腔内の乾燥感も防止したとの報告もされている。




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2015年10月2日金曜日

■パナルジン(チクロピジン)からプラビックス(クロピドグレル)に切り替えする場合、どのようにすればよいか!?

パナルジン200mgとプラビックス75mgが同じ効果を示します。
プラビックスは、定常状態に達するまで5日かかりますが、パナルジンと薬理作用はほぼ同じなので、パナルジンを止めた翌日からプラビックスに変更するのでよいと思います。




2015年10月1日木曜日

■輸液ルートと環境ホルモン


輸液用のルートのほとんどは、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly vinyl Chloride)でできています。

このポリ塩化ビニルを柔軟にするための可塑剤として、DEHP(ジエチルヘキシルフタレート)と呼ばれる物質がよく用いられていますが、この物質が抗がん剤や免疫抑制剤などの一部の薬剤と反応し、環境ホルモンとして溶け出してしまうことがあります。

この環境ホルモンが人体に及ぼす影響ははっきりとは解明されておらず、まだ不明な点が多いのが現状です。

特に急性や毒性の報告例はほとんどなく、現時点で懸念されている点は長期間体内に入り続けることによる長期毒性です。

動物実験では精巣や生殖機能に影響を与える例が報告されており、また直接的には肝機能障害を引き起こすと言われています。

特に輸液ルートから環境ホルモンを溶けださせる薬物として抗がん剤と脂肪乳剤などがあり、これらはDEHPの溶出量が多いと言われています。

抗がん剤のパクリタキセルはポリ塩化ビニル製の点滴ルートを溶かすことすらあります。

こうした薬を使用する場合は、通常DEHPが用いられていない輸液ルートを選択します。




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