2016年1月26日火曜日

■冷所保存薬品の室温保存可能期間

 冷所保存薬品でも、ある一定の期間であれば室温で安定であり、その期間内に在庫が回転するようであれば、冷所保存の必要のない薬品もある。




内服薬



薬 品 名

保存可能期間

安 定 性 そ の 他

イノリンシロップ

1

室温12ヶ月外観変化(-)含量98.6%

イソバイド

有効期限

室温が30℃を超えない限り36ヶ月安定

エストラサイト

冷所

春、冬は可能だが夏場は冷蔵庫保存

ガランターゼ

有効期限

50℃1ヶ月、60℃20日間安定

ケイツーシロップ

開封後3カ月

開封後雑菌混入の可能性あり

シアナマイド

冷所

37℃8ヶ月→15%低下

チオデロン

有効期限

室温、室内12ヶ月で規格に適合

トリクロリールシロップ

冷所

2530℃16ヶ月安定だが小出しが多いので冷所の方が安定である

トリノシン腸溶剤

1

20℃→安定、30℃→30%低下

ニトログリセリン

有効期限

気密状態を保っている限り力価は低下しない

ロワチンカプセル

有効期限

室温で5年安定

注射薬



薬 品 名

保存可能期間

安 定 性 そ の 他

アデホスL-3号

できるだけ冷所

30℃ 1ヶ月力価83.3%2ヶ月力価69.5%

アトニンー05

3年

規格値が85120%で、冷所では4年(93%)有効

アルツ

2年6ヶ月

極限粘度が問題となり、15℃42ヶ月で低下はほとんど見られない

アンスロビンP

25℃3ヵ月

10℃では18ヵ月安定 ただし蛋白製剤のため、一般的に凍結を避け10℃以下18ヵ月と規定

イントロンA

9ヵ月

5℃1年は安定、室温15ヵ月で綿状の不溶性物質が見られる

ウテメリン

冷所

5℃36ヵ月安定 室温にて2ヵ月より極くわずかの分解物生成(3ヵ月で0.30.7%生成)

ヴェノグロブリン-IH

2年

37℃12ヵ月目より多少劣化する項目も出るため、一般的に凍結を避け10℃以下2年と規定

HMG「日研」

冷所

室温7日間力価93.3%

HCGモチダ

冷所

データなし

エクザール

1

室温12ヵ月力価97.8%、冷所では3年間安定

エスキノン

3年1ヵ月

加湿状態では:40℃80%→4ヵ月、40℃100%→96時間安定

エスポー

6ヵ月

現在室温保存を申請中

M.V.I-3

6ヵ月

10℃では2年間安定

エルゴメトリン注射液F

冷所

室温でのデータなし、冷所では2年安定

エンドキサン

冷所

32℃3ヵ月力価93.5%37℃1ヵ月力価93%

オンコビン

冷所

室温12ヵ月力価88.3%

ガンマグロブリン

凍結を避け10℃以下

26℃3年間変化なし、37℃で不安定、室温保存データなし

ガンマ・ベニンP

凍結を避け10℃以下

蛋白製剤であるため不安定

キシロカインE

1年6ヵ月

15℃2年半、室温1年半安定、エピネフリンがやや不安定

グラン

6ヵ月

25℃6ヵ月変化なし

クリスマシン-M

冷所

5±2℃19ヵ月安定、30±2℃で不安定

グルカゴンG・ノボ

冷所

15℃30ヵ月安定、30℃3ヵ月で不純物生成

D人免疫グロブリン-Wf

凍結を避け10℃以下

データなし

コスメゲン

1年

37℃1年安定

コートロシン

25℃以下1

25℃6ヵ月力価96.0%12ヵ月力価92.2%18ヵ月力価88.5%

コートロシンZ

2ヵ月

30℃1ヶ月力価97.1%2ヶ月力価91.4%

コンファクトF

2年6ヶ月

冷所(10℃)、室温(1228℃)でほぼ30ヵ月安定

ゴナトロピン

冷所

室温6ヵ月→力価90%

サイメリン

2ヵ月

10℃では3年、40℃では1週間安定

サクシン

凍結を避け5℃以下

20℃1→80%30℃1→64%、室温では分解が早い

サンドスタチン

常温6ヵ月

常温6ヵ月安定、持ち歩き時は2週間と規定

サンラビン

1年9ヵ月

室温2124ヵ月以後に微淡黄色に着色、分解物生成、冷所では27ヵ月安定

ジェノトロピン

20℃6ヵ月

5℃以下では3年安定と推定されるが、5℃18ヵ月と規定

シーパラ

1年

室温1力価94%2力価81%

静注用グロブリン

6ヵ月

37℃6ヵ月変化なし

水痘ワクチン

冷所(5℃以下)

4℃18ヵ月安定、生ワクチンのため低温保存(-70℃でも3年安定)が望ましい

スミフェロン

冷所

10℃以下12ヵ月安定、15℃21ヵ月で僅かに力価低下

精製ツベルクリン

3年

37℃3年安定

セフォビット

2

24ヵ月力価90%

セフォペラジン

1年3ヵ月

室温(1126℃15ヵ月→91.5%30ヵ月→89.0%3ヵ月外観の着色化(黄色)12ヵ月溶状の着色化(黄色)

ダカルバジン

2年6ヶ月

15℃42ヵ月、40℃6ヵ月安定

TRH

1年6ヵ月

室温18ヵ月安定、20ヵ月で不純物生成

ティシール

2ヵ月

40±2℃2ヵ月安定

デスフェラール


2年

室温2年安定

テタガムP

凍結を避け10℃以下

データなし

テタノブリン-I

2年3ヵ月

37℃12ヵ月目より多少劣化する項目も出るため、一般的に凍結を避け10℃以下2年と規定

テラルビシン

2年3ヵ月

室温では27ヵ月で力価94.5%と安定

トキソイド類

冷所

データなし

トロンビン

2ヵ月

32℃保存では力価の低下が顕著、32℃3ヵ月88.4%120%以下、冷室(26℃)で約3年力価安定

日本脳炎ワクチン

冷所

10℃以下に凍結を避けて保存が望ましい(不活化ワクチンのため)

ネオM.V.I-9

6ヵ月

10℃では2年安定

ネオラミン3B

25℃1年6ヵ月

37℃3週間力価平均97%50℃6日間力価平均93%25℃以下16ヵ月安定

ノイアート

1年6ヵ月

室温24ヵ月目、37℃18ヵ月目で力価規格外となる、冷室(210℃24ヵ月安定、30ヵ月目に規格外(14%程度)、凍結を避け10℃以下2年と規定

ノイコリンエー

8ヵ月

30℃8ヵ月安定

ノバクトM

冷所

データなし

ノボリンR

25℃1年

4℃では2年安定

ハプトグロビン

1年3ヵ月

室温12ヵ月目頃よりヘモグロビン結合能の低下が見られ始め、18ヵ月目に規格外、冷室(210℃)では27ヵ月安定、凍結を避け10℃以下2年と規定

パルクス

冷所

5℃1年安定、10℃では9ヵ月目にPGE1PGA1の定量値のみが規格を外れる

イムノブラダー80mg

6ヵ月

10℃以下では48ヵ月安定、37℃では6ヵ月安定

ピシバニール

2年

10℃以下禁凍結

ビーシー

6ヶ月

40℃では2ヶ月安定(90.1%)、3ヶ月で著しく低下(59.1%

ピトレシン

25℃以下2年

210℃では3年安定

ヒトPTH

8ヶ月

08℃24ヶ月安定 25±1℃では9ヶ月目より含量が低下

PPSB-HT「ニチヤク」

1年3ヶ月

301℃15ヶ月安定 24ヶ月以降僅かな力価低下

ビームゲン

冷所

10℃以下では2年安定 in vitro力価試室温(20℃)における半減期は約1.9

ヒューマリンN

25℃6ヶ月

28℃では24ヶ月安定

ヒューマリンR

25℃6ヶ月

28℃では24ヶ月安定

ヒュメゴン

3ヶ月

40℃3ヶ月は外観、活性、変化無し

ファンギゾン

有効期限

水、5%ブドウ糖液に溶解後、25℃、2日変化無し

フィブロガミンP

冷所

室温でのデータはない 28℃24ヶ月、10℃では12ヶ月ヶ月安定

フィルデシン

25℃5ヶ月

15℃24ヶ月目、25℃6ヶ月目、35℃1ヶ月目に微量の分解物を生成し、やや不安定

フェルティーノ

2年

国外にて室温2年安定 国内では5℃30ヶ月安定

フェロン

4ヶ月

室温(2330℃)19週間、冷蔵庫(10℃以下)では15ヶ月安定 37℃では8週目以後力価低下

プラスマネート・カッター

2年

禁凍結

プロスタンディン

23℃1年2ヶ月

40℃1.5ヶ月までは変化は無いが、2ヶ月目に分解物生成

ヘブスブリン

2年6ヶ月

室温30ヶ月以降徐々に力価低下、37℃12ヶ月では著しい力価の低下と性状の変化を見る 一般的に26℃63ヶ月安定

ベニロン

冷所

生物学的製剤基準により10℃以下を規定

ベリプラスト-

1ヶ月

30℃1ヶ月安定、10℃では30ヶ月安定、但し、蛋白製剤のため、一般的に凍結を避け10℃以下2年と規定

ペンフィルR

25℃1年

4℃では30ヶ月安定

ペンフィルN

25℃1年

4℃では30ヶ月安定

ペンフィル30

25℃1年

4℃では30ヶ月安定

ミオブロック

2年

室温2年の残存率→99%

リノロサール

24℃2年

24℃、2年間→95%、1年間→98%、湿度より光に対して不安定

リプル

冷所

凍結を避け5℃で1年安定、10℃9ヶ月目にアルプロスタジルの定量値が僅かに規格を外れる


リンデロン

1年

室温1→97.7%(2mg) 98.5%(4mg

リンデロン懸濁

冷所

37℃10日間安定、90日目に結晶析出 50℃70日目で凝集

レプチラーゼS

冷所

禁凍結 凝血時間が30℃11ヶ月、40℃3ヶ月で約2倍になる50℃30分でほとんど失活する

ロイナーゼ

冷所

冷所では2年安定 室温24ヶ月10%30ヶ月13%低下、15℃24ヶ月約6%30ヶ月約8%低下(残存率9496までが適当)

外用薬



IDU点眼剤

3ヶ月

15℃12ヶ月→100.4% 室温3ヶ月(325℃→98.5%

アルビナ坐剤

6ヶ月

但し、基剤の溶融点が3537℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

アルピニー坐剤

2年6ヶ月

但し、基剤の溶融点が3436℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

アンヒバ坐剤

2年

但し、基剤の溶融点が3335.5℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

亜硝酸アミル

冷所

熱および光に対して不安定

イノリン吸入液

1年

1年→力価98.6%

インテダール坐剤

冷所

30℃でインドメタシンが分解する

エスクレ坐剤

1年

1年→成分含量、崩壊時間変化無し

コリマイC点眼剤

11ヶ月

室温11ヶ月力価約10%低下

サーファクテン

25℃6ヶ月

5℃24ヶ月、15℃12ヶ月安定 40℃1ヶ月目で黄変、臭いがきつくなり、3ヶ月目に効果低下

サリチゾン坐剤

有効期限

35℃で安定

サンフラールズポ

1ヶ月

15℃では5年安定

ジクロード点眼剤

1年6ヶ月

10℃では30ヶ月安定

ソルコセリル膣坐剤

3ヶ月

室温でのデータはないが原液では安定 但し、基剤の溶融点が約35℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所がのぞましい )


デスモプレシン点鼻剤

6ヶ月

室温6ヶ月含量→92%

トロンビン

3年

30℃3年→97%活性

バキソ坐剤

3年

但し、基剤の溶融点が3436.5℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

-FU坐剤

2年

但し、基剤の溶融点が3436.5℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

フェニタレン坐剤

3年以上

有効期限指定なし

フトラフール坐剤

2年

室温2年安定

フロリード膣坐剤

3年

但し、基剤の溶融点が31℃付近のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

プレグランディン膣坐剤

1~2ヶ月

40℃8週間→90%

ホスコH-1575

冷所

データなし

ボルタレンサポ

有効期限

30℃以上で軟化

メチロン坐剤

有効期限

35℃以上で薬剤の軟化

リンデロンA

有効期限

ベタメタゾン・・・・室温2年間→力価95%

フラジオマイシン・・・・室温2年間→力価98%

ルピアール坐剤

2年6ヵ月

ただし、基剤の溶解点が3436℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)

レシカルボン坐剤

冷所

25℃以上では、表面溶解と炭酸ガスが発生し、薬効消失

ユベラ軟膏

冷所

ただし20℃以下保存

ワコバルビタール坐剤

2年6ヵ月

ただし、基剤の溶解点が3435℃のため、この温度以上での保存は避ける(冷所が望ましい)



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