2018年4月3日火曜日

■クラビット経口剤の授乳婦への投与について教えてください。

クラビットの添付文書には、“授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[オフロキサシンでヒト母乳中へ移行するという報告されている]”と記載されています。

【乳汁への移行性】
ヒトの報告:レボフロキサシンが乳汁中へ移行を認めた海外報告があります。
出産直後に敗血症を認めた患者さんに対し、レボフロキサシン500mg/日を9日間静注後、14日間経口投与しました。投与中と服用中止後の5日間、母乳を採取し乳汁中濃度を測定した結果、定常状態での乳汁の最大曝露量は投与終了5時間後で8.2μg/mLでした。最終投与の約48時間後には検出不可(0.05μg/mL)となりました。なお授乳婦におけるレボフロキサシンの最大乳汁中濃度は血漿中濃度と同等でした1)
動物の報告:乳汁への移行が高いと報告されています。
 
【授乳の再開時期】
授乳再開時期の明確なデータはありませんので、授乳再開時期の判断は医師、薬剤師により決定してください。一般的には、半減期の46倍空けていただくと、薬剤の大半が消失するといわれています23)。
(クラビットの半減期は7.89±1.04時間)
 
引用文献:
1Cahill,Jr JB et alPharmacotherapy 200525(1)116-118
2Howard CR et alClin Perinatol 199926(2)447-478
3)澤田康文ほか:薬剤予測学入門(薬業時報社)199372-84

参考:第一三共医薬情報提供


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