2014年6月2日月曜日

■SGLT-2阻害薬:特徴と注意点

≪SGLT-2阻害薬≫
一般名:商品名
▼イブラグリフロジンL-プロリン:スーグラ
▼ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物:フォシーガ
▼ルセオグリフロジン水和物:ルセフィ
▼トホグリフロジン水和物:アプルウェイ・デベルザ

≪特徴≫
近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制することで、尿糖排泄を促進し、血糖低下作用を発揮する。
・体重を減らす作用が期待される。
・インスリンとは独立した作用を示すため、単独使用では低血糖をきたす可能性は低い。

≪注意点≫
・腎機能低下患者では、糸球体濾過率が低下しているため、効果が減弱し、よい適応ではない。
・尿路感染症・性器感染症(特に女性)の発現に注意する。特に日本人は、症状があっても自分からは訴えのないケースが多いかもしれない。
・薬理作用から、SGLT-2阻害薬投与中は、血糖コントロールが良好であっても尿糖陽性を示す。したがって、尿糖・1.5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とならないので注意が必要である。
・SGLT-2阻害薬の尿中ブドウ糖排泄促進作用により、浸透圧利尿作用が働き、頻尿・多尿が見られることがある。
・体液量の減少をきたし、軽度の脱水症状を起こすおそれがあるため、渇中枢機能の低下しやすい高齢者にはよい適応ではない。また、このような症状が現れた場合には適度な水分補給を行うよう指導する。
・血中ケトン体が異常高値を示す例があり、注意が必要である。
・重症の腎不全と透析例と妊娠時には、使わないこと。


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2014年6月1日日曜日

■脂質異常症の薬物療法

≪ステートメント≫
一時予防において、生活習慣の改善を十分に行ったにも関わらず、LDL-C管理目標値が達成できない場合には、リスクの重みに薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

②一次予防においても、LDL-C180mg/L以上を持続する場合は、薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルC

③高LDL-C血症に対する治療薬としてスタチンが推奨される。≪推奨レベルⅠ・エビデンスレベルB

④高リスクの高LDL-C血症においては、スタチンに加えて、エゼチミブの投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

⑤高リスクの高LDL-C血症においては、スタチン投与に加えてイコサペント酸エチル(EPA)の投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルA

⑥低HDL-C血症を伴う高TG血症に対しては、リスクの重みに応じてフィブラート系薬剤やニコチン酸誘導体などの薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版参照


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