2017年4月28日金曜日

■パーサビブ静注透析用2.5mg・5mg・10mg

≪製造販売≫
小野

≪一般名≫
エテルカルセチド

≪薬効分類≫
カルシウム受容体作動剤

≪効能・効果≫
血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

≪用法・用量≫
 通常、成人には、エテルカルセチドとして15mgを開始用量とし、週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入する。
 以後は、患者の副甲状腺ホルモン(PTH)および血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、12.515mgの範囲内で適宜用量を調整し、週3回、透析終了時の返血時に投与する。

≪薬価≫
パーサビブ静注透析用2.5mg:873/A
パーサビブ静注透析用5mg:1283/A
パーサビブ静注透析用10mg:1885/A

≪概要≫
パーサビブは、米国アムシェン社で創製され、小野薬品工業で開発されたカルシウム受容体作動薬である。

≪薬理作用≫
 副甲状腺細胞表面のCa受容体は、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌・生合成、副甲状腺細胞の増殖を抑制的に制御している。
 本剤は、副甲状腺細胞表面のCa受容体にアロステリックに作用し、受容体のCa感受性を高めることで、主にPTH分泌を抑制し、血中PTH濃度を低下させる。また、反復投与においては副甲状腺細胞の増殖抑制も血中PTH濃度低下に寄与すると考えられている。

≪特徴≫
 二次性副甲状腺機能亢進症におけるPTHの過剰分泌は、心血管の石灰化などを介して生命予後に影響を及ぼすことが知られており、生命予後改善の観点から血清PTH濃度の適切な管理が必要とされている。二次性副甲状腺機能亢進症の治療では、血清PTHおよび血清CaPの管理を目的に、Ca受容体作動剤のシナカルセト(商品名:レグパラ)や活性型ビタミンD3製剤が投与されるが、すべての管理目標値を達成している患者さんは3割程度にとどまるとの報告もある。
 本剤は、血液透析終了時に透析回路より投与する注射剤であり、医師の管理下において確実な投与が可能とある。また、一般的に水分制限や内用剤の併用が多い透析患者さんの服薬負担を軽減することなどが期待されている。

≪シナカルセト(商品名:レグパラ錠の薬価)
レグパラ錠12.5mg:374.20
レグパラ錠25mg:549.80
レグパラ錠75mg:1011.70



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2017年4月25日火曜日

■肺高血圧症とは!?

≪定義≫
肺高血圧症(PH)とは、安静時に右心カテーテル検査を用いて実測した肺動脈平均圧(meanPAP)25mmHg以上の場合。

≪診断≫
右心カテーテル検査は、肺高血圧症の正確な病態評価を行うための現在の世界標準である。

≪肺高血圧症の経過≫
1.肺血管拡張能の低下および血管収縮がPH経過の早期に起こる。
2.肺動脈壁の硬化と肥厚(血管リモデリング)によって肺血圧がさらに上昇する。
3.狭くなった動脈に血圧を送り出すため、右心により大きな負担がかかる。
4.最終的に、右心は肥大し、その結果、血液を肺に送り出せなくなる。
5.心不全をきたり、死亡に至る。



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